Detailed Description

6抵当

 

     契約の種類:

契約には3つの種類があります:

1-売買取引や有償賃貸などのように、契約者のどちら側にもその遂行を義務付けられる契約。

2-委任などのように、契約者のどちら側にもその解約をする権利がある有効な契約。

3-契約者の一方だけに有効となり、もう一方には義務付けられる類の契約。例えば抵当契約の場合、それは抵当債権者にとって有効ですが、抵当による債務者にとっては義務の契約となります。

 

     抵当とは:もし債務者が債務の返済義務を履行出来ないような場合、それ自身、あるいはその値段によってその返済義務を果たせるような何かを債務の担保とすることです。

 

     抵当が定められたことに潜む英知:

抵当は債権者の財産を保護するための、合法的な契約です。

債務者は債務の返済時期までにその義務を果たさなければなりませんが、もしそれが叶わず、かつ債務者が抵当の売却に同意するならば、抵当債権者はそれを売却して自分の権利を取り戻すことが出来ます。もし債務者が規定の時期までに返済義務を果たさない場合、裁判官[1]はその者に返済義務の履行か、あるいは抵当の売却を強制付けることが出来ます。もしそれでも債務者が従わない場合、裁判官自身がその抵当を売却して抵当債権者の権利を果たします。

1-至高のアッラーは仰られました:-それであなた方が旅行(などの状況)にあるために記録者がいない時には、抵当を手渡すのだ。,(クルアーン2283

2-アーイシャ(彼女にアッラーのご満悦あれ)によれば、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)はあるユダヤ教徒から後払いで食料を購入し、鉄の鎧をその抵当としました。(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[2]

 

     抵当物は抵当債権者の信託下に置かれます。その管理においてすべきではない事を行ったり、あるいはそれに対する義務を怠ったりしない限り、抵当債権者は抵当物の損害などに関する保障義務を問われません。

 

     抵当物の維持管理に関して:

抵当物が家畜などである場合、その食糧供給などにかかる経費は債務者が負います。

但しもし抵当債権者がその食糧供給などにかかる経費を負うならば、それらに乗ったり、あるいは乳を搾ったりすることが出来ます。

 

     抵当の売却:

債権者は、抵当債務者の同意なしに抵当を売却することは出来ません。もし同意なしに売却してしまった後に抵当債務者がそれを認めればその売買取引は有効ですが、もし同意しなければその取引は無効となります。



[1] 訳者注:イスラーム法で裁く裁判官のことです。そのような機関が存在しない非ムスリム国や地域に居住するムスリムは、そこにおけるイスラーム的権威である学者やイマームなどに依拠することになります。

[2] サヒーフアル=ブハーリー(2068)、サヒーフ・ムスリム(1603)。

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