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7保証と身元保証

 

     保証とは:精神的に健常である成人が、他人の財産に関する義務の遂行責任を負うことです。

 

     保証の法的位置づけ:

保証は合法であり、福利の達成において必要なものです。また保証は善とタクワー[1]における相互援助であり、ムスリムの要求を叶え、かつその苦しみを解消してやることにもつながります。

 

     保証が有効となるための諸条件:

保証が有効となるには、保証人が処分権を有し、かつ強制されてではなく自らの選択によってそうするのでなければなりません。

 

     保証はいかにして成立するか?

1-保証は「私がそれを保証します」とか「私がその責任を負います」とかいった、その内容を表すいかなる言葉によっても成立します。

2-保証は、10000円など明瞭な形の財産に対しても有効ですし、不明瞭な形の財産に対しても有効です。後者の場合には債務者が存命中であるかどうかを問わず、「私は何某に対するあなたの財産に関し、保証人になります」などという表現を用います。

 

     保証によって起こる結果:

保証人が債務の保証をしても、それで債務者の義務が解消されるわけではありません。債務は債務者と保証人の両方に課されるのであり、債権者はそのいずれにも債務の履行を要求することが出来ます。

 

     保証の契約が終了する時:

保証人の義務は、債務者が債権者に対する義務を果たすか、あるいは保証人自身がそれを果たすかのどちらかによって解消されます。

 

     身元保証とは:良識を備えた者が自ら望んで、財産に関する義務を課された者の出頭に対する責任を負うことです。

     身元保証が定められたことに潜む英知は:諸権利の保護と、その達成です。

 

     身元保証の法的位置づけ:

身元保証は合法であり、善とタクワーにおける相互援助の一環です。また身元保証を引き受けられた者に対しての善行であるがゆえ、身元保証人にとっては推奨された行為となります。

1-至高のアッラーは仰られました:-(ヤアクーブ:ヤコブは)言った:「私はあなた方がアッラーにおいて契りを結ばない限り、彼(ベンヤーミーン:ベンジャミン)をあなた方と共には行かせない。あなた方全員が何らかの災いに遭遇したりしない限り、彼を必ず連れて帰るのだ。」そして彼らはそれに応じると、言った:「アッラーこそは私たちが言ったことに対する証人であられます。」,1266

 

     保証を受けた者の出頭を保証したものの、彼が召喚された時に彼を連行して来ることが出来なかった場合には、保証人はその者に課された義務を負わなければなりません。

 

     身元保証人の義務が解消される時:

       保証した者が亡くなった時。

       保証されていた本人が自ら義務を履行した時。

       至高のアッラーの思し召しにより、保証されていた者の義務が消失した時。

 

     債務者の旅行に関して:

もし債務を抱えた者が旅行に出たいと思っても、その債務の履行時期が旅行中に発生するような場合、債権者は彼の旅行を禁じることが出来ます。但し債務の履行時期が訪れた際にその責任を問題なく負うことの出来る保証人を設けたり、あるいはその債務を補填出来るだけの抵当を入れたりする場合などはその限りではなく、旅行することが出来ます。というのもそうすることによって、危険要因が消失するからです。

 

     信用状に関して:

銀行が発行する信用状は、完全保証であるか、あるいは保証した全額が既に前もって支払われているような場合、そのサービスの代償として料金を要求することが許されます。しかし全額保証しない信用状を発行したり、あるいはそれによって料金を請求したりすることは許されません。



[1] 訳者注:「タクワー」は「自らを守る」という動詞の名詞形。つまりアッラーを畏れ、またそのお怒りと懲罰につながるような行い‐つまりかれが命じられたことに反したり、あるいは禁じられた事柄を犯したりすることなど‐を避けることで、自らの身をアッラーのお怒りや懲罰から守ることを意味します。

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