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人は何かを所有する能力がなくても、あるいはそれを賃借する財産を有していなくても、何らかの物を利用することを必要とすることがあります。
このような中、イスラームはそのような状況にある人々の需要に応えるべく借用の法規定を定めました。そして貸す者は自らの所有物を他人に贈与することなく、単にその利用を許可するだけで、アッラーからの報奨を得ることが出来るのです。

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16借用

 

 

     借用とは:利用しても損なわれないような物に関し、その利用のみを許可することです。そしてそれを借用した者はその利用が済んだ後にはそれを返却し、貸した者はそれに対する見返りを受け取ってはなりません。

     借用が定められたことに潜む英知:

人は何かを所有する能力がなくても、あるいはそれを賃借する財産を有していなくても、何らかの物を利用することを必要とすることがあります。

そしてある種の人々は、サダカ(施し)や贈与などを要求することが出来なかったりもします。

このような中、イスラームはそのような状況にある人々の需要に応えるべく借用の法規定を定めました。そして貸す者は自らの所有物を他人に贈与することなく、単にその利用を許可するだけで、アッラーからの報奨を得ることが出来るのです。

     借用の法的位置づけ:

借用はそれを行う者にとって推奨された行為であり、スンナ[1]です。

というのもそこには他人への善行があり、かつそれによって人の必要が果たされ、そして人々の間に愛情を育む原因ともなるからです。

 借用は、それを示すあらゆる言動によっても成立します。

     借用が正しい形となるための諸条件:

1-利用する物が、その利用後も失われないこと。

2-その利用が合法的なものであること。

3-貸す者がそれを所有しており、かつそれを贈与する力があること。

     借用が許される物:

合法的に利用可能な物‐例えば住宅や乗り物、車両や道具など合法な物‐は全て、借用が許されます。

     借用不可能な物:

至高のアッラーに対する不服従が伴うような物‐例えば酒杯や売春宿など禁じられた物‐は全て、借用が禁じられます。

     借用物の管理:

何か物を借用した者はそれを大事に管理しなければならず、かつそれをその所有者に無傷のまま返還しなければなりません。また借用した物は、所有者の許可なく勝手に第3者に貸したりすることは許されません。

     借用物に対する保証: 

借用物に何らかの損害が生じた場合には、借用人の方に落ち度があろうとなかろうと彼がそれに関して完全保証しなければなりません。借用した物は、それを返却するまで大事に保持しなければならないのです。但し貸した者がその損失を多めに見た場合はその限りではなく、保証義務は免除されます。

 


[1] 訳者注:預言者ムハンマド(彼にアッラーの祝福と平安あれ)の示した手法や道のこと。ムスリムは可能な限り、彼のスンナを踏襲するべきであるとされています。

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