イスラームにおけるジハードの礼節

概要

イスラームにおけるジハードの礼節には以下のようなものがあります:いんちきをしないこと。また女性や子供、年寄りや修行僧などをあやめたりしないこと

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Detailed Description

    アッラーの道におけるジハード

    3イスラームにおけるジハードの礼節

    ﴿ الجهاد في سبيل الله 3- آداب الجهاد في الإسلام

    ] 日本語– Japanese – ياباني [

    ムハンマド・イブラーヒーム・アッ=トゥワイジュリー

    翻訳 : サイード佐藤

    校閲 : ファーティマ佐藤

    2009 - 1430

    ﴿ الجهاد في سبيل الله 3- آداب الجهاد في الإسلام

    « باللغة اليابانية »

    محمد بن إبراهيم التويجري

    ترجمة: سعيد ساتو

    مراجعة: فاطمة ساتو

    2009 - 1430

    3-イスラームにおけるジハードの礼節

    ● イスラームにおけるジハードの礼節には以下のようなものがあります:

     いんちきをしないこと。また女性や子供、年寄りや修行僧などをあやめたりしないこと。但しそれらの者たちが戦いを仕掛けてきたり、戦闘を扇動したり、あるいはそこにおいて顧問や指導教官などの地位にある場合、その生命の保障はありません。

     自惚れや驕慢さ、虚栄心などに囚われないこと。また敢えて敵の遭遇を望んだりしないこと。人間や動物を火で罰したりしないこと。

     敵にイスラームを提示すること。もし彼らがそれを拒めばジズヤ税の支払いを要求し、それさえも拒んだ場合には戦闘が許可されます。[1]

     忍耐と真摯な心。不服従の回避。偉大かつ荘厳なるアッラーに対して、勝利と援助の祈願をすること。その祈願の1つに、次のようなものがあります:「アッラーよ、啓典を下されたお方よ。雲を駆逐されるお方、敵を打破されるお方よ。敵を打ち負かし、私たちを彼らに勝利させて下さい。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[2]

    ● ムスリムが敵に対して恐怖心を抱いた時の祈願:

     ムスリムは敵に対して恐怖心を抱いた時、次のように唱えます:「アッラーよ、私たちはあなたを彼らに対する護りとし、あなたに彼らの諸悪からのご加護を求めます。」(アブー・ダーウードとアフマドの伝承[3]

    ● ジハードにおけるイスラーム法治国家指導者の義務:   

     イスラーム法治国家指導者、あるいはその代理人は出征の折、その軍と装備を確認する義務があります。また裏切り者や混乱を扇動する者など、ジハードに適さない類の全ての者の参加を禁じます。また差し迫った必要がない限り、非ムスリムの援助を要請したりはしません。

     また装備を整え、(自ら軍を率いる場合には)兵に優しさを示しつつ進軍し、駐留する際には最善の場所を選ぶようにします。また軍に対し不服従と罪深い行為を禁じる一方、彼らを心強くさせ、殉教への望みを高めさせるような言葉をかけます。

     また軍隊に対し、忍耐と来世での報奨への希望を勧めます。そして軍を分割し、隊長や守衛を任命し、敵へ諜報員を派遣したりします。また兵や軍隊に対して最初の攻撃の際には適当な者に戦利品全体の5分の1の内から4分の1を、また一時撤退後に再攻撃する際には戦利品全体の5分の1の内から3分の1を褒美として与えることも出来ます。またジハードに関して、宗教学者や助言役らと協議するようにします。

    ● アッラーの道におけるムジャーヒド(ジハードに携わる者)の義務:

     兵士はそれがアッラーに対する不服従とならない限りにおいて、イスラーム法治国家指導者、あるいはその代理人に服従し、彼と共に忍耐しなければなりません。また彼の許可なしに出征することは許されませんが、敵が到来し、その悪と被害の恐れがある場合はその限りではなく、自己防衛することが出来ます。また敵から前哨戦として一騎打ちを挑まれたら、自らの勇敢さと能力に自信がある者は指導者の許可を得た後、それに応じることが勧められます。

    ● ジハードにおける欺き:

     例えばイスラーム法治国家の指導者がある国や部族などを北側から攻めたい場合、敵を欺いて南側から攻めることが許されます。戦争とは欺きです。

     この行為には2つの利益があります:

     1-敵味方の両陣営における生命と財産の損失の軽減。つまり厳しさを慈悲に置き換えることです。

     2-戦闘におけるムスリム側の人員数と装備力の温存。

     カアブ・ブン・マーリク(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は戦闘に入ろうと思う際、裏をかかずにそうすることは滅多にありませんでした。(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[4]

    ● 戦いの時:

     アン・=ヌゥマーン・ブン・ムカッリン(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「私は、アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)が昼間の早い時間に戦いを始めない時は、それを太陽が子午線を過ぎるまで遅らせるのを見ました。そして風が吹き、勝利が訪れたのです。」(アブー・ダーウードとアッ=ティルミズィーの伝承[5]

    ● 敵がムスリムに奇襲をしかけてきたら、奇襲された時間がいつであってもそれに応戦しなければなりません。

    ● アッラーの勝利はいつか?

     アッラーはご自身とその支持者たちに勝利を定められましたが、その勝利は以下のような要素と関連しています:

     1-アッラーの道におけるムジャーヒドの心に真のイーマーン[6]が完結すること:至高のアッラーはこう仰られました:-イーマーンの徒を勝利させるのは、われら(アッラーのこと)の義務であるのだ。,(クルアーン30:47)

     2-イーマーンの条件を満たすこと‐つまり人生において善行に励むこと:至高のアッラーはこう仰られました:-必ずやアッラーは、かれを支持する者たちを援助される。実にかれは強力で、威力高いお方である。(そのかれを支持する者たちとは、)もしかれ(アッラーのこと)が彼らを地上(の統治)において確立されたならば、サラー(礼拝)を遵守し、ザカー(義務の浄財)を拠出し、善いことを勧め、悪事を禁じる者たちのことである。そしてアッラーにこそ全ての事の結末が属するのだ。,(クルアーン22:40-41)

     3-出来る限りの準備をしておくこと:至高のアッラーはこう仰られました:-それで彼らに対して出来る限りの(軍事)力を準備し、(軍)馬を繋ぎとめておくのだ。あなた方はそれでもってアッラーの敵とあなた方の敵、そしてあなた方がまだ知らない彼ら以外の他の者たちを恐れさせる。,(クルアーン8:60)

     4-出来る限りの努力を払うこと:至高のアッラーはこう仰られました:-そしてわれら(アッラーのこと)ゆえに努力奮闘する者は、必ずやわれらの(もとに到達する)道へと導いてやろう。アッラーは実によく服従する者たちと共にあるのだ。,(クルアーン29:69)また至高のアッラーはこう仰られました:-信仰する者たちよ、(敵軍の)一団と見えたら、堅固であれ。そしてアッラーを沢山唱念するのだ。きっとあなた方は成功するであろう。そしてアッラーとその使徒に従うのだ。互いに相違して士気を失い、勝利を逃してはならない。忍耐するのだ。アッラーは忍耐する者たちと共にあられよう。,(クルアーン8:45-46)

     このような要素を満たして初めて、アッラーは彼らと共におられます。そして過去にも数々の使徒や預言者たち(彼らにアッラーからの祝福と平安あれ)、アッラーの使徒とその教友たち(彼らにアッラーのご満悦あれ)がそうであったように、彼らにも戦場においてアッラーの勝利が授けられるのです。

    ● 行為における確信と忍耐の影響:

     ムスリムが真理を確立しようとし、そしてそれをアッラーによって、アッラーゆえに行うのであれば、何ものに屈することもありません。例え天地とそこにある全てのものが彼を害しようとしたとしても、アッラーが彼の糧の供給を保障して下さるのです。しもべが得るものは、これらの3つの要素を満足させること、あるいはその内のいくつかにおける怠慢に依拠しています。

     まず虚妄を確立しようとする者は、勝利することがありません。例え一時的に勝利しても、最終的な勝利を得ることはないのです。そのような者は屈辱を受け、失墜する運命にあります。

     また真理を確立しようとするものの、それをアッラーゆえではなく人々の賞賛や感謝を求めて行う者もまた、勝利することはありません。というのも勝利は、アッラーの御言葉が最高位に君臨することのみを求めて努力奮闘する者に授けられるものだからです。このような者が勝利することがあったとしても、それはその者の有していた忍耐と真理への貢献度に応じた範囲のものでしかありません。

     忍耐する者は常に勝利を得ます。そして忍耐する者が真理と共にある時、彼は最終的な勝利を収めるのです。但し彼が虚妄と共にあるならば、最終的な勝利を得ることはありません。

     至高のアッラーはこう仰られました:-そしてわれら(アッラーのこと)は彼らが(彼らの宗教の遵守と、敵からの迫害などにおいて)辛抱し、われらのみしるしを確信した時、彼らの内からわれらの導きでもって彼らを正しく導く指導者たちを出現させた。,(クルアーン32:24)

    ● 戦列から逃亡することの法的位置づけ:

     両軍が互いに見えたら、以下の2つの場合を除いて戦列から脱落することが禁じられます:

     至高のアッラーはこう仰られました:-信仰する者たちよ、進撃して来る不信仰者たちと見えたら、背を見せて退散してはならない。その日背を向けて退却する者は、(引き続き)戦闘を行うために(、一旦戦線から)逸れたり、あるいは(味方の他の)一団に合流したりするためでない限り、アッラーのお怒りと共に帰ることとなろう。そしてその住まいは地獄である。何と忌まわしい行き先であろうか。,(クルアーン8:15-16)

    ● アッラーの道における殉教の徳:

     1-至高のアッラーはこう仰られました:-そしてアッラーの道において殺された者たちを、死人と思ってはならない。彼らはアッラーの御許で糧を与えられ、生き続けているのである。,(クルアーン3:169)

     2-アナス(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「天国に入る者は、例え地上にあるもの全てが手に入ることになっていたとしても、現世に戻ることを望まない。但し殉教(の機会)がある場合のみは別で、彼は(殉教による)栄光を(天国で)目にしているために、現世に戻って10回でも(殉教者として)殺されることを望むのだ。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[7]

    ● アッラーの道における殉教者の奇跡:

     殉教者の魂は、緑色の鳥の腹部の中にあります。そしてそれはアッラーの玉座にかけられた灯りで照らされながら、天国を望むままに飛び回ってついばむのです。

     殉教者はアッラーの御許で、以下に示すような特典を享受します:

     アル=ミクダーム(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は言いました:“殉教者には偉大かつ荘厳なるアッラーの御許で、数々の特典がある:最初に血液が流れ出した時、その罪が赦される。そして天国における自分の居場所を見せられる。またイーマーンの装飾で、飾り付けられる。また72人の美しい乙女を娶る。また墓での懲罰を免れ、最大の恐怖の日(審判の日)に安心していられる。またその頭上には荘厳な宝玉の冠を戴くが、それは現世とその中にある全てのものよりも優れたものである。またその親族から70人の者が、彼ゆえに執り成しを受けることが出来る。”」(サイード・ブン・マンスールとアル=バイハキーの伝承[8]

    ● アッラーの道において負傷した者は審判の日、血の色に染められ、麝香の香りを漂わせ、殉教者の印を戴いた姿で現れます。アッラーの道における殉教者は全ての罪を赦されますが、借金だけはその限りではありません。

    ● 単独包囲された場合:

     捕虜にされそうになり、敵に抵抗する力のないムスリムは、投降することが出来ます。あるいは殺すか殺されるか、という手段に出ることも可能です。

    ● 単独で敵に攻め入る事に関して:

     敵を痛めつけたり、その心を恐怖でおののかせたりする目的で敵地に乗り込んだり、あるいは法を侵犯する不信仰者の軍隊の中に飛び込んだりして殺された者は、忍耐強い殉教者と真摯なムジャーヒドの報奨を得るでしょう。またこのような行為は敵に対して最小の損失でもって、最高の打撃を与えることにもなります。

    ● 捕虜の種類:

     戦争捕虜には2種類あります:

     1-女性と未成年者:捕虜になれば、奴隷化されます。

     2-成人男子の戦闘員:イスラーム法治国家の指導者が無償解放、有償解放、死刑、奴隷化の内、最も福利に適うものを決定します。

    ● アッラーの道において財を施すことの徳:

     1-至高のアッラーはこう仰られました:-アッラーの道において財を施す者たちは、7本の穂を芽吹かせる1粒の種粒のようである。(その7本の穂は)各々100粒もの種を実らせるのだ。アッラーはお望みになる者に(その報奨を)倍増なされる。アッラーはこの上なく豊かで、全てをご存知のお方である。,(クルアーン2:261)

     2-アブー・フライラ(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「アッラーの道において何か(同種類の)2つのものを施す者は、天国の全ての門の番人から呼ばれるであろう:“おーい、何某よ。こちらへ来るのだ…。”」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[9]

    ● アッラーの道における砂塵とサウム(斎戒、いわゆる断食)の徳:

     1-アブー・アブス(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「アッラーの道において両足を砂まみれにする者[10]は、アッラーによって地獄を禁じられるであろう。」(アル=ブハーリーの伝承[11]

     2-アブー・サイード・アル=フドゥリー(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「アッラーの道において1日サウムする者[12]は、アッラーが彼の顔を地獄から70年の距離だけ遠ざけて下さろう。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[13]

    ● アッラーの道のために馬を飼育することの徳:

     アブー・フライラ(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:“アッラーを信仰し、そのお約束を信じるがゆえにアッラーの道のために馬を一頭(飼育して)繋ぎとめておく者は、審判の日にその飼葉と飲み水、糞と尿をその(善行の)秤に載せられるであろう。”」(アル=ブハーリーの伝承[14]

    ● 戦利品の分配:

     戦利品は戦闘の場に臨んだ戦闘員に分配されます。まず戦利品から5分の1が取り出され、以下のように分配されます:まずその内の更に5分の1はアッラーとその使徒のもので、ムスリムの福利のために分配されます。また5分の1は預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)の一族のために、もう5分の1は孤児のために、また恵まれない者たちと財源の尽きた旅人らにもそれぞれ5分の1があてがわれます。

     残りの5分の4の戦利品は戦闘員の間で分配されますが、歩兵と騎兵でそれぞれ1:3の割合で分割されます。戦利品の横領は禁じられ、イスラーム法治国家の長はそのような者を適切な手段によって懲戒することが出来ます。またジズヤ税や地税のように、戦闘を介することなくシルク[15]の徒から得た財産は、ムスリムの福利のために利用されます。

     1-至高のアッラーはこう仰られました:-あなた方が手に入れた戦利品は、その5分の1がアッラーと使徒のものであり、また(5分の1は預言者の)近親[16]、(5分の1は)孤児、(5分の1は)恵まれない者たち、(5分の1は財源の尽きた)旅人のためであることを知るのだ。あなた方が(真に)アッラーと、両陣営が見えた日である識別の日(バドルの戦役の日)にわれら(アッラーのこと)がわれらのしもべ(ムハンマドのこと)に下したものを信じるのであれば(、この件に関しても預言者に従うのだ)。アッラーは全てを可能にされるお方である。,(クルアーン8:41)

     2-至高のアッラーはこう仰られました:-アッラーが町の民[17]から(戦闘なしに没収し、)その使徒に授けられた戦利品は、アッラーと使徒、その近親と孤児、恵まれない者たちと(財源の尽きた)旅人たちのものである。それは(富が)、あなた方の内の豊かな者たちの間だけを循環しないようにするため。そして使徒が命じた物事を行い、彼の禁じた物事を避けよ。そしてアッラー(のお怒りや懲罰の原因となるような物事)に対し、身を慎むのだ。実にアッラーは厳しく罰されるお方である。,(クルアーン59:7)

    ● 特定のムジャーヒドに褒美をつかわすこと:

     軍の司令官はそうすることでムスリムの益となる福利があると見込んだ場合、ある種の戦闘員に戦利品の中から褒賞を使わすことが出来ます。しかし何の福利も見込めないような場合、そうはしないようにします。

    ● 戦利品の法的位置づけ:

     1-兵士は軍隊が獲得した戦利品の分配に与かり、軍隊は兵士が得た戦利品の分配に与かります。また戦争の際に敵を殺害した者は、その装備品を入手することが出来ます。ここで言う装備品とは:その者が着用していた衣類、装備していた武器、所有していた乗り物、財産のことです。

     2-次の4つの条件を満たしていない者は、戦利品の分配に与かることが出来ません:①成人であること、②正常な理性を有していること、③自由民であること、④男性であること。

    ● ムスリムが敵から土地を戦利品として奪取した場合、イスラーム法治国家の指導者はそれをムスリムの間で分配するか、あるいはワクフ(継続的サダカ)[18]とし、それを委託された者から継続的に地税を徴収することが出来ます。

    ● ムスリムの福利に貢献した非ムスリムに対し、恩義に応えるという意味から可能な範囲で褒美を使わすことは許されます。

    ● アッラーの道における殉教:

     1-アブー・フライラ(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は言いました:“殉教者とは次の5人のことである:伝染病で死ぬ者、内臓系の病気で死ぬ者、溺死する者、崩壊した建物の下敷きになって死ぬ者、そしてアッラーの道において殉教した者。”」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[19]

     2-ジャービル・ブン・アティーク(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「…偉大かつ荘厳なるアッラーの道において命を落とすこと以外における殉教には、7つある:伝染病で死ぬ者は殉教者である。内臓系の病気で死ぬ者も殉教者である。溺死する者も殉教者であり、崩壊した建物の下敷きになって死ぬ者も殉教者である。また肋膜炎で死ぬ者も殉教者であり、焼死する者も殉教者である。そして妊娠ゆえに死ぬ者もまた殉教者である。」(アブー・ダーウードとアン=ナサーイーの伝承[20]

     3-サイード・ブン・ザイド(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「自らの財産を守るために殺された者は殉教者である。自らの宗教を守るために殺された者も殉教者であり、自らの生命を守るために殺された者もまた殉教者である。また自らの家族を守るために殺された者も殉教者である。」(アブー・ダーウードとアッ=ティルミズィーの伝承[21]

    ● 臓器移転に関して:

     1-ムジャーヒドかどうかに関わらず、生存者が別の生存者から何らかの身体器官の移転を必用としている場合、以下のような状況が想定されます:

     まず手足の切除などのように、その移転によりそもそもの利益、あるいは大方の利益が達成されることも無く、それどころか非常な害悪が見込まれるようなもの。このようなことは成功の見込みが薄い行為でもって、そもそも確保されている生命を危険に晒すために非合法です。

     また心臓や肺の摘出のように、それによって生命の断絶が確実なものとなる場合。これは一種の殺人であり、厳しく禁じられています。

     2-死人から生存者への身体器官の移転に関しての場合:

     心臓や肺、腎臓の移転など、生存者の生命維持に関わる絶対的福利に関する場合、その移転は合法となります。但し以下のことが条件付けられます:まずその死人が存命中にそのことに合意していること。器官の提供を必要としている者の合意。その手術以外には助かる手段が無いこと。手術を行うのが腕の確かな医師であること。

    [1] 訳者注:これはイスラーム法治国家の長が、安全協定も停戦条約も結んでいない国家の民に対してとる立場です。イスラーム法治国家の長が不在である場合、あるいは存在していてもそのような安全保障協定を結んでいる国家に対して正当な理由もなくこのような行為に出ることは非合法です。「④ズィンミーの契約」及び「⑤停戦条約」の項を参照のこと。

    [2] サヒーフ・アル=ブハーリー(2966)、サヒーフ・ムスリム(1742)。

    [3] 真正な伝承。スナン・アブー・ダーウード(1537)、ムスナド・アフマド(19958)。

    [4] サヒーフ・アル=ブハーリー(2948)、サヒーフ・ムスリム(2769)。文章はアル=ブハーリーのもの。

    [5] 真正な伝承。スナン・アブー・ダーウード(6255)、スナン・アッ=ティルミズィー(1613)。文章はアブー・ダーウードのもの。

    [6] 訳者注:詳しくは「タウヒードとイーマーン」の章を参照のこと。

    [7] サヒーフ・アル=ブハーリー(2817)、サヒーフ・ムスリム(1877)。文章はアル=ブハーリーのもの。

    [8] 真性な伝承。サイード・ブン・マンスール(2652)、アル=バイハキー「シュアブ・アル=イーマーン」(3949)。アッ=スィルスィラト・アッ=サヒーハ(3213)参照。

    [9] サヒーフ・アル=ブハーリー(2841)、サヒーフ・ムスリム(1027)。

    [10] 訳者注:つまりアッラーの道における戦闘などにおいて奮迅すること。

    [11] サヒーフ・アル=ブハーリー(907)。

    [12] 訳者注:アッラーの道におけるジハードなどにおいて、サウムすること。

    [13] サヒーフ・アル=ブハーリー(2840)、サヒーフ・ムスリム(1153)。文章はアル=ブハーリーのもの。

    [14] サヒーフ・アル=ブハーリー(2853)。

    [15] 訳者注:詳しくは「タウヒードとイーマーン」の章のシルクの項を参照のこと。

    [16] 訳者注:バヌー・ハーシム族とバヌー・アル=ムッタリブ族のこと。

    [17] 訳者注:マディーナ近郊に居住し、イスラーム国家と協定を結んでいたユダヤ教徒のバヌー・ナディール族のこと。彼らは策謀を企てて預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)を暗殺しようとしましたが、失敗しました。その結果ムスリムたちは、強力な砦を有していた彼らをマディーナから屈辱的な形で追放します。この件は彼らのことに関して下ったものです。

    [18] 訳者注:詳しくは「ムアーマラート」の章の「23‐ワクフ(継続的サダカ)」の項を参照のこと。

    [19] サヒーフ・アル=ブハーリー(2829)、サヒーフ・ムスリム(1914)。文章はアル=ブハーリーのもの。

    [20] 真正な伝承。スナン・アブー・ダーウード(3111)、スナン・アン=ナサーイー(1846)。文章はアン=ナサーイーのもの。

    [21] 真正な伝承。スナン・アブー・ダーウード(4772)、スナン・アッ=ティルミズィー(1421)。文章はアッ=ティルミズィーのもの。

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