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最後の日への信仰に関連し、永劫の来世の行き先の1つである地獄で罰される人々の種類、及びそこで繰り広げられる互いの責任のなすりつけや口喧嘩など、凄まじい地獄絵図を描写していきます。

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地獄の業火で罰される人々の様子

 

1不信仰者と偽信者

 

至高のアッラーは仰られました:-アッラーは男女の偽信者と不信仰者たちに、地獄の業火を約束された。彼らはそこに永遠に留まるが、それ(業火)だけで彼ら(を罰する)には十分なのである。アッラーは彼らをそのご慈悲から遠ざけられる。そして彼らには途切れることのない懲罰があるのだ。,(クルアーン968

 

2神聖で侵すべからざる命を意図的に奪った者

 

       至高のアッラーは仰られました:-そして信仰者を意図的にあやめた者の報いは、地獄の業火である。彼はそこに永遠に留まるのだ。そしてアッラーは彼をお怒りになり、彼をそのご慈悲から遠ざけられる。そして彼には、もう1つのこの上ない懲罰を用意したのである。,(クルアーン493

 

       アブドッラー・ブン・アムル(彼らにアッラーのご満悦あれ)によれば、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「(私たちと)条約を結んでいる民を(不当に)殺害した者は、天国の芳香を嗅ぐことはない。その芳香は40年もの行程からも嗅ぐことが出来るにも関わらず、である。」(アル=ブハーリーの伝承[1]

 

3男女の姦淫者

 

サムラ・ブン・ジュンドゥブ(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)がその教友たちに対してよく言うことに、“誰か夢を見た者はいるか?”というものがありました。・・・‐そしてこの伝承には次のような箇所があります‐彼(預言者)はある朝、言いました:“昨晩2人の男が私のもとにやって来た。彼らは私を起こし、私に言った:「出発するのだ。」・・・私たちは出発し、かまどのような物の所までやって来た。そこからはひどい騒音がしていた。その中を覗いて見ると、そこには裸の男女らがいた。そして下方から炎がやって来て彼らのところにまで到達すると、彼らは大声を上げるのだった。私は(2人の男に)言った:「彼らは何者だ?」‐中略‐(2人の男は)言った:「かまどのような物の中にいた男女らは、姦淫を犯していた者たちである。」”」(アル=ブハーリーの伝承[2]

 

4リバー(不法商取引)で得られる非合法な利をむさぼる者

 

サムラ・ブン・ジュンドゥブ(彼にアッラーのご満悦あれ)の伝えている前述の伝承で、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)はこう言っています:「“私たちは出発し、血が流れる川までやって来た。その中ほどには1人の男が立っており、岸にはもう1人、石を持った男がいた。そして川の中の男がやって来て岸に上がろうとすると、(岸にいる)男は彼の口に石を投げ込み、彼が元いた場所まで追い返した。このように彼が岸に上がって来ようとする度、その男は石を投げつけて彼を元いた場所まで追い帰すのだった。私は言った:「これは何だ?」・・・(預言者は)言った:「川で見たその男は、リバー(不法商取引)で得られる非合法な利をむさぼる者だった。」”」(アル=ブハーリーの伝承[3]

 

5(魂のあるものを)写生や彫刻などによって模倣する者

 

       イブン・アッバース(彼らにアッラーのご満悦あれ)は言いました:「私はアッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)がこう言うのを聞きました:“全ての(魂のあるものを)写生や彫刻などによって模倣する者は、地獄の中である。彼の描いた、あるいは作ったものには(その日)魂が与えられ、彼はそれらによって地獄の業火の中で罰されるのだ。”」(ムスリムの伝承[4]

 

       アーイシャ(彼女にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)が私の部屋に入って来た時、私は私の棚を肖像のある色付きのカーテンで覆っていました。(アッラーの使徒は)それを見るとそれを引き裂き、顔色を変えました。そして言いました:“アーイシャよ、審判の日アッラーの御許で最もひどい懲罰に遭うのは、アッラーの創造を模倣しようとする輩なのだ。”(アーイシャは)言いました:“それで私たちはそれらを細かく切り、それをもって肘掛を1つ、あるいは2つ作りました。”」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[5]

 

       イブン・アッバース(彼らにアッラーのご満悦あれ)は言いました:「私はアッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)がこう言うのを聞きました: “現世で(魂のあるものを)写生や彫刻などによって模倣する者は審判の日、それらに魂を吹き込むよう命じられる。そして彼にはそうすることが出来ないのだ。”」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[6]

 

6孤児の財をむさぼる者

 

至高のアッラーは仰られました:-実の孤児らの財を不正にむさぼる者たちは、炎を食べてそれを腹の中に詰め込んでいるのである。そして彼らは地獄の烈火の中に入ることになるのだ。,(クルアーン410

 

7嘘や、他人の陰口や悪口を言いふらす者

 

       至高のアッラーは仰られました:-そして虚言吐きの(真理から)迷い去った者たちであれば、その(来世での)歓待は熱湯によるものであり、その行き先は地獄の業火なのである。,(クルアーン569294

 

 

       ムアーズ・ブン・ジャバル(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「私は旅路で、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)と共にありました・・・‐ そしてこの伝承の中には次のような箇所があります‐・・・それで私は言いました:“預言者よ、私たちは私たちの語ることに関しても、(アッラーから)お咎めを受けるのでしょうか?”すると(預言者)は言いました:“ムアーズよ、お前の母親が泣くぞ。舌によって得たものでなしに、人が地獄の業火で顔、あるいは鼻先から突っ立たされないことがあるというのか?”」(アッ=ティルミズィーとイブン・マージャの伝承[7]

 

 8アッラーが下された啓示を隠蔽しようとする者:

 

 至高のアッラーはこう仰られました:-アッラーが下された啓典を隠蔽し、それを僅かな代価で売る者たちは、炎を食べてそれを腹の中に詰め込んでいるのである。そしてアッラーは審判の日、彼らにお言葉をかけられることもなければ、彼らを称えられることもない。そして彼らには更に痛烈な懲罰が待ち受けているのだ。,(クルアーン2174

 

     地獄の民の口論:

 

 不信仰者たちは、アッラーが彼らのために用意された懲罰を眼前にしてその恐ろしさを実感する時、自らと現世において信愛していた者たちを憎悪します。彼らの友愛は憎悪へと変わり、そのとき地獄の民の間に口論が巻き起こるのです。彼らは地獄におけるその階層によって、異なった議論を繰り広げます。

 

1-現世において、アッラーを差し置いて配していた対象そのものとの論争:

 

至高のアッラーは仰られました:-彼らは口論し合いつつ、言う:「アッラーにかけて。私たちは明白な迷妄の中にいました。万有の主と共に、あなた方(彼らが現世で崇拝していたものたちのこと)を拝していたのです。私たちを迷わせたのは、(彼ら)罪深い者たちなので(私たちの責任ではないので)す。」。,(クルアーン269699

 

2-現世において弱者だった者たちと、その頭目たちとの論争:

 

至高のアッラーは仰られました:-そして彼らが地獄の中で論争する時のこと。弱者たちは、(預言者や使徒に従わず)倣岸であった頭目たちに言う:「私たちは(現世において)あなた方に従っていたわけだが、(この日)あなた方は地獄の業火(による懲罰)を私たちのためにいくらか防いでくれるのか?」(預言者や使徒に従わず)倣岸であった頭目たちは言う:「私たちは皆そこに入るのだ。もうアッラーはそのしもべたちの間を、お裁きになられてしまったのである。」,(クルアーン404748

 

3-現世において迷妄にあった指導者たちとその追随者たちとの論争:

 

至高のアッラーはこう仰られました:-そして彼らは互いに向き合って訊ね合う。(追随者たちは)言う:「あなた方は(現世において虚位を真理だと上手く言い聞かせ、)私たちの気に入らせていたのです。」(迷妄にあった)指導者たちは言う:「いいや、あなた方はそもそも(私たちの提示したものに対する)信仰者ではなかったではないか。私たちはあなた方に強制する力を有していたわけではないが、あなた方が不信仰において度を越した民だったのである。それで私たちの主のお言葉[8]が、私たち両方に実現されたのだ。私たちは(懲罰を)味わう。私たちはあなた方を迷わせていたが、私たち自身も迷妄の中にあったのだ。」こうして彼らはその日、共に懲罰を受けることになる。,(クルアーン372733

 

4-不信仰者とその同士であるシャイターン(悪魔)との間の論争:

 

至高のアッラーはこう仰られました:-彼(不信仰者)の同士(悪魔)は言う:「私たちの主よ、私が彼を迷わせたのではありません。彼自身が遠い迷妄の中にあったのです。」(アッラーは)仰る:「われのもとで議論するのではない。あなた方には既に警告しておいたではないか。私は約束を違えることはなく、しもべたちに対して不正を働くこともないのだ。」,(クルアーン502729

 

5-またこの件に関する論争の極みとしては、人間が自らの身体部分と論争する、というものもあります:

 

至高のアッラーはこう仰られました:-そしてその日、アッラーの敵たちは地獄に召集され、最初の者たちは最後の者たちがやって来るまで待たされる。そして地獄の業火までやって来ると、彼らの聴覚と視覚と皮膚は、彼らが(現世で)行っていたところの悪行を証言し始める。(彼らは)自らの皮膚に向かって言う:「どうして私たちに不利になる証言をするのだ?」(彼らの皮膚は)言う:「あらゆるものを喋らせることのお出来になるアッラーが、私たちを喋らせられたのです。」かれ(アッラー)はあなた方を最初に創られたお方。そして彼の御許へとあなた方は還るのだ。,(クルアーン411921

 

     地獄の民は、彼らを迷わせた者たちと会うこと、及び彼らに倍の懲罰が加えられることを乞います:

 

1-至高のアッラーはこう仰られました:-そして(その日)不信仰者たちは言う:「私たちの主よ、人間とジンの内で私たちを迷わせた者たちをお見せ下さい。彼らが私たちよりも下方に来るように、足で踏みつけてやりたいのです。」,(クルアーン4129

 

2-至高のアッラーはこう仰られました:-その日彼らの顔は地獄の炎の中でひっくり返され、こう言う:「ああ、アッラーと使徒に従っていればよかったのに!」そして言う:「われらが主よ、私たちは私たちの指導者たちや頭目に従っていたゆえ、(正しい道から)迷わされたのです。われらが主よ、彼らに倍の懲罰を与え、彼らをあなたのご慈悲から遠く遠ざけて下さい。」,(クルアーン336668

 

     地獄の民へのイブリース[9]の言葉:

 

アッラーがしもべたちの間をお裁きになると、イブリースは地獄の民が更なる苦悩と後悔と悲痛を覚えるべく、次のように語りかけます:

 

至高のアッラーはこう仰られました:-そしてシャイターン(イブリース)は(審判の日の)裁きが終わると、こう言う:「アッラーはあなた方に真のお約束[10]をされた。そして私もあなた方に(虚偽の)約束をし、それを破った。私はあなた方を(この嘘偽の約束へと)いざなうこと意外に、あなた方を強制するいかなる権威も持ち合わせていなかったが、あなた方は私に応じたのである。だから(この日)私を責めるのではなく、自分たちを責めるのだ。私があなた方(の懲罰)を和らげることも出来なければ、あなた方も私(の懲罰)を和らげることも出来ない。私は、以前あなた方がアッラーを差し置いて私を拝していた事などからは、無実なのだ。実に(真理に対する)不正者たちには痛烈な懲罰がある。」,(クルアーン1422

 

     地獄の業火が更なる住民を求めること:

 

1-至高のアッラーは仰られました:-その日われら(アッラーのこと)は、地獄の業火に言う:「一杯になったか?」すると(地獄は)言う:「(地獄に)入る者はもっと沢山いますか?」,(クルアーン5030

 

2-アナス・ブン・マーリク(彼にアッラーのご満悦あれ)によると、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「地獄は(そこにその民が)放り込まれるたび、こう言う:“(地獄に)入る者はもっと沢山いますか?”そしてこの上ない威厳の主(アッラー)がその御足をそこにお入れになると、(地獄は)縮小してこう言う:“あなたのこの上ない威厳と尊さにかけて。もう十分です。もう十分です。”一方天国もいつまでも満杯にならない。そのためアッラーはその空き場所のために新たに人々を創られ、そこに住まわせられる。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[11]

 


[1] サヒーフアル=ブハーリー(3166)。

[2] サヒーフアル=ブハーリー(7047)。

[3] サヒーフアル=ブハーリー(1386)。

[4] サヒーフ・ムスリム(2110)。

[5] サヒーフアル=ブハーリー(5954)、サヒーフ・ムスリム(2107)。文章はムスリムのもの。

[6] サヒーフアル=ブハーリー(7042)、サヒーフ・ムスリム(2110)。文章はムスリムのもの。

[7] 真正な伝承。スナン・アッ=ティルミズィー(2616)、サヒーフ・スナン・アッ=ティルミズィー(2110)、スナン・イブン・マージャ(3973)、サヒーフ・スナン・イブン・マージャ(3209)。文章はアッ=ティルミズィーのもの。

 

[8] 訳者注:アッ=シャウカーニー師のクルアーン解釈書「ファトゥフ・アル=カディール」によれば、われは必ずや、あなた(イブリース:悪魔の長)とあなたに従った者たち全員でもって地獄を満杯にするであろう。﴿というアッラーのお言葉を指しています。

[9] 訳者注:イブリースは元来は天使であったものの、アッラーが全ての天使たちにアーダム(アダム)の前でサジダ(伏礼)するように命じられた際、高慢になって従いませんでした。それで彼は審判の日まで人間とジンをアッラーの正しい教えから惑わせて迷妄の道へと誘い込み、地獄の道連れにしようと企む悪魔となったのです。

[10] 訳者注:訳者注8を参照のこと。

[11] サヒーフアル=ブハーリー(4848)、サヒーフ・ムスリム(2848)。文章はムスリムのもの。

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