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親孝行、家族や親類縁者、隣人とのよき関係や恵まれない者への慈しみの念など、イスラームの教えるよい人間関係のあり方を見て行きます。

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4-親交の徳

● 親孝行の徳:

1-至高のアッラーはこう仰られました:-そしてあなたの主は、あなた方がかれ以外の何ものも崇拝せず、両親に孝行することを命じられた。彼らの内片方、あるいは2人とも高齢に達したら、うんざりしたり乱暴に応対したりしてはならない。しかし彼らにいたわりの言葉をかけてやるのだ。そして彼らに慎み深さの翼を垂れ、こう言うのだ:「主よ、彼らが幼かった私を(優しくいたわって)育ててくれたように、彼らにご慈悲をおかけ下さい。」あなた方の主は、あなた方の心の内にあるものをご存知であられる。あなた方が(以前の罪から悔悟し、誤った状況を)正そうとしているのなら、実にかれ(アッラー)はかれへと立ち返る者たちに赦し深いお方であられる。,(クルアーン17:23-25)

2-アブドッラー・ブン・マスウード(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「私は預言者(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)にこう尋ねました:“アッラーが最も愛でられる行為と何でしょう?”(預言者は)言いました:“規定時間にサラー(礼拝)することである。”(私は)言いました:“その次は?”(預言者は)言いました:“親孝行だ。”(私は)言いました:“その次は?”(預言者は)言いました:“アッラーの道において努力奮闘することである。”」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[1]

両親と良い関係を保つことの徳:

アブー・フライラ(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「ある男が預言者(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)のもとにやって来て、言いました: “アッラーの使徒よ、私が最も良い関係を保つべき人は誰でしょうか?”(預言者は)言いました:“母親だ。”(男は)言いました:“その次は?” (預言者は)言いました:“母親だ。”(男は)言いました:“その次は?”(預言者は)言いました:“母親だ。”(男は)言いました:“その次は?” (預言者は)言いました:“母親だ。それから父親だ。”」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[2]

近親との良い関係の徳: 

1-アナス・ブン・マーリク(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「その糧が増加し、いつまでも誉れ高くありたいと思う者は、良い近親関係を保つのだ。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[3]

2-アブー・フライラ(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、預言者(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は言いました:「親類関係(Ar=Rahim)とは、慈悲深いお方(Ar=Rahman)(の御名)から派生しているのだ。ゆえにアッラーは仰られる:“親族関係をよく保つ者には、われが彼とわれ(の絆)をよく保ってやろう。そしてそれを断つ者には、われが彼とわれ(の絆)を断ってやろう。”」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[4])  

3-アブドッラー・ブン・アムル(彼らにアッラーのご満悦あれ)によれば、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「(真に)近親との良い関係を保つ者というのは、自分がされたことに対して報いる者のことを言うのではない。その関係が途絶えた時に、それをつなぎとめるような者のことを言うのだ。」(アル=ブハーリーの伝承[5]

子供との良い関係を築き、また彼らに良い教育を施すことの徳:

1-アーイシャ(彼女にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「娘2人を連れた1人の女性が私のもとにやって来て、私に(施しものを)請いました。私の手元にはナツメヤシ1粒しかなかったのでそれを渡しましたが、彼女はそれを半分に割って2人の娘に分け与えました。そして立ち上がると、去って行きました。すると預言者(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)が帰って来たので、私は彼にこの話をしました。すると彼は言いました:“それら娘たちの面倒を見、善行を施す者は、彼女たちによって地獄から守られよう。”」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[6]

 2-ウサーマ・ブン・ザイド(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は私を抱いて、その足の上に座らせたものです。そしてもう片方の足の上にはアル=ハサンを座らせ、私たち2人を抱きかかえてこう言ったものです:“アッラーよ、この2人にご慈悲をおかけ下さい。私は彼らを慈しんでいるのですから。”」(アル=ブハーリーの伝承[7]

孤児の面倒を見る者の徳:

アブー・フライラ(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は言いました:“私と孤児の後見人は、天国でこのよう(な関係)である。”そして人差し指と中指でもって示しましたが、その間には僅かな間隔がありました。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[8]

両親の友人と良い関係を保つことの徳:

イブン・ウマル(彼らにアッラーのご満悦あれ)は言いました:「私はアッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)がこう言うのを聞きました:“善行の内でも最たるものは、亡くなった父親の友人たちと良い関係を保つことである。”」(ムスリムの伝承[9]

やもめや恵まれない境遇にある者に進んで手を差し伸べることの徳:

アブー・フライラ(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「預言者(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は言いました:“やもめや恵まれない境遇にある者に進んで手を差し伸べる者は、アッラーの道において奮闘する者、あるいは夜をサラー(礼拝)に費やし昼間はサウム(斎戒、いわゆる断食)する者のようである。”」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[10]

娘たちの教育の徳:

アナス・ブン・マーリク(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は言いました:“2人の女児を成熟するまで面倒を見る者は、審判の日に私と共に(こうして)やって来るであろう。”(そう言って預言者は両手の)指を組み合わせました。」(ムスリムの伝承[11]

隣人と良い関係を築くことの徳:

1-至高のアッラーはこう仰られました:-そしてアッラーを崇拝し、かれと共に何ものをも配してはならない。そして両親と近親と孤児、恵まれない境遇にある者たち、また近い隣人にも遠い隣人にも善行を施すのだ。,(クルアーン4:36)

2-アーイシャ(彼女にアッラーのご満悦あれ)によれば、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「もしかすると遺産相続までさせるのでは、と私が訝るほどに、ジブリール(ガブリエル)は私に隣人への善行を命じ続ける。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[12]

3-アブー・シュライフ(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「“アッラーにかけて、(そのような者は)信仰していない。アッラーにかけて、(そのような者は)信仰していない。アッラーにかけて、(そのような者は)信仰していない。”(教友たちは)言いました:“一体誰のことですか、アッラーの使徒よ。”(預言者は)言いました:“その隣人が、その害悪ゆえに安心出来ないような者のことだ。”」(アル=ブハーリーの伝承[13]

4-アナス(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「“自らに欲することを同士にも欲するようにならなければ、本当に信仰したことにはならない。”あるいはこう言いました:“自らに欲することを隣人にも欲するようにならなければ・・・”」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[14]

● 人を慈しむことの徳:

ジャリール・ブン・アブドッラー(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は言いました:“人を慈しまない者には、アッラーもそのご慈悲をかけては下さらないであろう。”」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[15]

ムスリムに害を及ぼさない限り、シルク[16]の徒の近親者に善行を施すことの徳: 

1-至高のアッラーはこう仰られました:-アッラーは宗教ゆえにあなた方に戦いを仕掛けたり、あなた方を家から追い出したりしなかったような者たちに対して、あなた方が善行を施したり公正に接したりすることを禁じられてはいない。実にアッラーは公正な者を愛でられるのだ。,(クルアーン60:8)

2-アスマーゥ・ビント・アビー・バクル(彼女らにアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)の時代に、シルクの徒だった私の母親が私のもとを訪れました。それで私はアッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)に(彼女とどう接するべきか)相談しました。私は言いました:“私の母親が私の孝行を求めてやって来たのですが、私は彼女によくしてやるべきでしょうか?”(預言者は)言いました:“ああ。お母さんに良くしてやりなさい。”」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[17])  

信仰者たちを慈しみ、同情することの徳

アン=ヌゥマーン・ブン・バシール(彼らにアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は言いました:“信仰者たちが互いに慈しみ合い、愛し合い、同情し合うのは、まるで1つの体のようである。体のある部分が痛みを訴えれば、他の部分が不眠と熱に冒されながら、彼の(看病の)ために寄り集まって来るのだ。”」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[18] 

女性や小間使いたちと品徳をもって接し方をすることの徳: 

アブー・フライラ(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は言いました: “女性に関する忠告を聴くのだ:女性は肋骨から創られたのであり、肋骨の中でも最も湾曲が激しいのは最上部のそれである。それであなた方がそれを真っ直ぐにしようとすれば、それは折れてしまうことであろう。だからと言ってそれを放っておけば、それは湾曲したままであろう。ゆえに女性に関する忠告を聴くのだ。”」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[19]

よき統治とよき親交の徳

1-アブドッラー・ブン・ウマル(彼らにアッラーのご満悦あれ)は言いました:「私はアッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)がこう言うのを聞きました: “あなた方は皆指導者である。そしてあなた方は皆、その指導下にある者たちに対して責任がある。(組織や集団の)長はその民に対して責任があり、また男は家庭の中における指導者であり、家族に対して責任を持つ。また女性は夫の家における管理者であり、彼女の管理下にある者たちに対して責任を持つ。そして小間使いは主人の財の管理者であり、彼もまたその管理下にあるものに対して責任を持つのだ。”」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[20]

2-マァキル・ブン・ヤサール(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「私はアッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)がこう言うのを聞きました:“アッラーからその面倒を任された者たちに対して不正を働き、その(状態の)まま死んだしもべには、アッラーが天国を禁じられるであろう。”」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[21]

ムスリムと良い関係を築き、彼らの用事を手伝い、その苦悩を和らげ、その過ちを秘密にしておいてやることの徳:

1-アブドッラー・ブン・ウマル(彼らにアッラーのご満悦あれ)によれば、アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)はこう言いました:「ムスリム同士は兄弟であり、互いに不正を働き合ったり、見捨てたりしない。そして同胞の必用事に携わる者は、アッラーが彼の必要事に携わられるであろう。またムスリムの苦悩を1つ和らげてやる者は、アッラーが審判の日の彼の苦悩を1つ和らげて下さるであろう。そして(現世で)ムスリム(の過ち)をかくまってやる者は、アッラーが審判の日に彼のことをかくまって下さるであろう。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[22]

2-アブー・サイード・アル=フドゥリー(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「私たちが預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)と共に旅路にある時、ラクダに乗った1人の男がやって来ました。そして(男は物欲しそうに)左右を眺め回しました。そこでアッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は言いました:“(乗るための)ラクダを余計に持っている者は、持っていない者に与えてやるのだ。そして蓄えに余裕がある者は、ない者に与えてやるのだ。こうして(アッラーの使徒は)様々な財の名を(同じようにして)挙げ続けたので、私たちはまるで自分たちが所有する剰余物において、他人に対するいかなる権利も有していないかのように感じたものです。”」(ムスリムの伝承[23]


[1] サヒーフ・アル=ブハーリー(527)、サヒーフ・ムスリム(85)。文章はアル=ブハーリーのもの。

[2] サヒーフ・アル=ブハーリー(5971)、サヒーフ・ムスリム(2548)。文章はアル=ブハーリーのもの。

[3] サヒーフ・アル=ブハーリー(5986)、サヒーフ・ムスリム(2557)。文章はアル=ブハーリーのもの。

[4] サヒーフ・アル=ブハーリー(5988)、サヒーフ・ムスリム(2554)。文章はアル=ブハーリーのもの。

[5] サヒーフ・アル=ブハーリー(5991)。

[6] サヒーフ・アル=ブハーリー(5995)、サヒーフ・ムスリム(2629)。文章はアル=ブハーリーのもの。

[7] サヒーフ・アル=ブハーリー(6003)。

[8] サヒーフ・アル=ブハーリー(5304)、サヒーフ・ムスリム(2983)。文章はアル=ブハーリーのもの。

[9] サヒーフ・ムスリム(2552)。

[10] サヒーフ・アル=ブハーリー(5353)、サヒーフ・ムスリム(2982)。文章はアル=ブハーリーのもの。

[11] サヒーフ・ムスリム(2631)。

[12] サヒーフ・アル=ブハーリー(6014)、サヒーフ・ムスリム(2624)。文章はアル=ブハーリーのもの。

[13] サヒーフ・アル=ブハーリー(6016)。

[14] サヒーフ・アル=ブハーリー(13)、サヒーフ・ムスリム(45)。文章はムスリムのもの。

[15] サヒーフ・アル=ブハーリー(7376)、サヒーフ・ムスリム(2319)。文章はアル=ブハーリーのもの。

[16] 訳者注:詳しくは「第1章タウヒードとイーマーン‐5.シルク」の章を参照のこと。

[17] サヒーフ・アル=ブハーリー(2620)、サヒーフ・ムスリム(1003)。文章はアル=ブハーリーのもの。

[18] サヒーフ・アル=ブハーリー(6011)、サヒーフ・ムスリム(2586)。文章はアル=ブハーリーのもの。

[19] サヒーフ・アル=ブハーリー(3331)、サヒーフ・ムスリム(1468)。文章はアル=ブハーリーのもの。

[20] サヒーフ・アル=ブハーリー(893)、サヒーフ・ムスリム(1829)。文章はアル=ブハーリーのもの。

[21] サヒーフ・アル=ブハーリー(7150)、サヒーフ・ムスリム(142)。文章はムスリムのもの。

[22] サヒーフ・アル=ブハーリー(2442)、サヒーフ・ムスリム(2580)。文章はムスリムのもの。

[23] サヒーフ・ムスリム(1728)

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