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イスラームは用便に関しても、事細かな作法を定めています。その1つが用便後の身の清め方であるイスティンジャーとイスティジュマールです。

Detailed Description

2イスティンジャーイスティジュマール

     イスティンジャーとは:水によって2つの排泄器官から出た物質を洗浄することです。

     イスティジュマールとは:石や紙などによって、2つの排泄器官から出た物質を除去することです。

     トイレに出入りするときに唱えること:

1-トイレに入る時は左足から入り、こう唱えることがスンナ[1]です:アッラーよ、私はあなたに男女のシャイターンからのご加護を乞います。(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[2]

2-トイレから出る時は右足から出て、こう唱えることがスンナです:「あなたにお赦しを求めます。[3]」(アブー・ダーウードとアッ=ティルミズィーの伝承[4])」

     モスクに入ったり、衣服や靴を着用したりする時には、右足から始めるのがスンナです。そしてモスクから出たり、衣服や靴を抜いたりする時には、左足から始めるのがスンナです。

     野外で用を足す時には、人目を離れて遠くまで行き、身を隠すのがスンナです。また体や衣服が汚れたりしないよう、用を足すのに適した場所を選んで行うようにします。

     男性は座って用を足すのがスンナですが、もし汚れや人の目に触れる恐れがない場合には、立って行っても問題ありません。

     クルアーンを携帯してトイレに入ることは許されません。また迷っている者に道案内をしたり、あるいは洗浄用の水を持って来させたりするためなどの必要がない限り、トイレで話すことは慎むべき行為です。

     どうしてもそうしなければならない場合[5]を除き、至高のアッラーの御名が記された何かを携帯してトイレに入ることは慎まなくてはなりません。また土地の割れ目に排便したり、右手で排泄器官を触ったりイスティンジャーやイスティジュマールすること、及び用便の姿勢に入る前に衣服をたくし上げることなども忌避すべき行いです。また用を足している最中に挨拶に返答することも忌避されるので、そのような時には用を済ませて身を清めてから返答するようにします。

     用を足す時にキブラ[6]を向いたり、そこから背を向けたりすることに関する法的見解:

 野外であるか建物内であるかに関わらず、用を足すときにキブラを向いたり、そこから背を向けたりすることは禁じられます。

 アブー・アイユーブ・アル=アンサーリー(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は言いました:“排便する時にはキブラの方を向いたり、あるいはそちらに背を向けたりしてはならない。(その2方向を避けて)東や西の方を向くのだ。”」アブー・アイユーブは言いました:「私たちがシャーム地方[7]に行くと、キブラの方向に向かって建てられているトイレを見つけました。それで私たちは(そこで用を足す時には)身をずらし、至高のアッラーにお赦しを乞いました。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[8]

     モスクや道端、人々を益する日陰、果実を実らせる木、泉など、人が足繁く通うような場所に用便することは禁じられています。

     イスティジュマールはきれいな3つの石粒で行われますが、もしそれでも十分きれいにならなければ、更に付け足すことが出来ます。但し3個、5個、といった風に、奇数個で終わらせるのがスンナです。

     骨や糞、食物や貴重な物でイスティジュマールすることは禁じられます。

     排泄器官から出た物質は水や石、ティッシュ、紙切れなどで除去されます。しかし洗浄力において最も優れている水を使用するのが、最良です。

     衣服についた不浄物による汚れは、水で洗浄しなければなりません。もし汚れが目に見えない場合は、衣服全体を洗います。

     まだ食べ物を食べ始めない乳幼児の小便による汚れは、男児であれば、そこに水をふりかけただけで汚れを除去したことになります。しかし女児の小便による汚れは、水で洗浄しなければなりません。そして男女の別なく、既に食べ物を食べるようになった幼児の小便に関しては、水で洗浄します。



[1] 訳者注:預言者ムハンマド(彼にアッラーの祝福と平安あれ)の示した手法や道のこと。ムスリムは可能な限り、彼のスンナを踏襲するべきであるとされています。

[2] サヒーフ・アル=ブハーリー(142)、サヒーフ・ムスリム(375)。

[3] 訳者注:排便により身体的に清められた後、更に精神的な汚れである罪の赦しを請うという意味が含まれています。あるいはトイレではアッラーの念唱が禁じられているため、そこに留まっていた間かれを念じることが出来なかったということに関して罪を乞うことであるとも言われます。

[4] 真正な伝承。スナン・アブー・ダーウード(30)、サヒーフ・スナン・アブー・ダーウード(23)、スナン・アッ=ティルミズィー(7)、サヒーフ・スナン・アッ=ティルミズィー(7)。文章はアブー・ダーウードのもの。

[5] 訳者注:例えばクルアーンなどアッラーの御名が記してある貴重な物をトイレの外に置いておいたら、誰かに盗まれてしまう可能性が高い場合などが挙げられます。

[6] 訳者注:マッカのカアバ神殿の方向のこと。

[7] 訳者注:「シャーム地方」とは現在のパレスチナやシリア、ヨルダンなどの地域周辺を指します。

[8] サヒーフ・アル=ブハーリー(394)、サヒーフ・ムスリム(264)。文章はアル=ブハーリーのもの。

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