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ラマダーン月明けに定められたザカー(浄財)について、簡単に見て行きます。

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⑥斎戒明けのザカー(浄財)

 

     斎戒明けのザカーに潜む英知:

ラマダーン月をサウム(斎戒)した者がその間に犯した戯言や低俗な言動への罪滅ぼしと、イードの日に貧者が物乞いをすることなく富裕な者と共に喜びを分かち合えるようにという意味から、アッラーは斎戒明けのザカーを定められました。

イブン・アッバース(彼らにアッラーのご満悦あれ)によれば、アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は戯言や低俗な言動に対する罪滅ぼしと、貧者への食べ物の施しゆえに斎戒明けのザカーを定めました。それを(イードの)サラー(礼拝)前に施せば(斎戒明けのザカーとして)受け入れられますが、その後に施せば(斎戒明けのザカーではなく)1つのサダカ(任意の施し)となるのです。(アブー・ダーウードとイブン・マージャの伝承[1]

 

     斎戒明けのザカーの法的位置づけ:

斎戒明けのザカーは以下の条件が全て当てはまる者に義務付けられます。

         性別や成人しているかどうか、あるいは自由民か奴隷かの別を問わず、ムスリムであること。

         自らと自らが扶養義務を有するムスリム(もしいるのならば)に対して必要最低限の食物を有していること。

         1サーア[2]の食物を所有していること。

 また胎児の分も拠出することが推奨されています。

 

     斎戒明けのザカーが義務付けられるのはいつか?

 ラマダーン最後の日の日没と同時に、各個人に義務付けられます。

もし一家の長が自分の家族の許可を得た後に彼らの分を代行して拠出すれば、それで彼らの義務は果たされたことになり、かつ彼はそのことによる報奨を得るでしょう。

 

     斎戒明けのザカーを支払わなければならないのはいつか?

イード・アル=フィトゥルの日の始まり‐つまり西暦的感覚から言うと、ラマダーン最後の日の日没後‐から、イードのサラーの前までです。最善の時間はイードの日、イードのサラーの前までに拠出することでしょう。

尚イードの日に1日、あるいは2日ほど先駆けて斎戒明けのザカーを支払うことも可能です。

またイードのサラーの後に施した斎戒明けのザカーは単なる任意のサダカ(施し)と見なされ、そうした者は正当な理由がない限り罪を犯したことになります。また正当な理由なしにその支払いをイードの日以降にまで遅らせた者も、同様です。

但し支払いの遅延に何らかの正当な理由がある場合はそれを後に支払いますが、罪はありません。

 

     斎戒明けのザカーの定量:

小麦や大麦、ナツメヤシの実や干し葡萄、チーズや米、とうもろこしなど、その土地で主食と見なされている種類の食物から拠出しますが、貧者にとって最も有益なものが最適でしょう。

その量は1人につき1サーア、つまり約2.4kgです。

ザカーが義務付けられたその土地の貧者に施すようにし、食物の代わりにその価値に相当する金品などで支払ってはなりません。またそれを受給することにおいて最優先されるのは、貧者や困窮者です。

イブン・ウマル(彼らにアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)はムスリム男女の奴隷と自由民、成人している者とそうでない者に、斎戒明けのザカーとして1サーアのナツメヤシの実か1サーアの大麦(の施し)を義務付けました。そしてそれを、人々がサラーへと出かける前に支払うことを命じたのです。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[3]



[1] 良好な伝承。スナン・アブー・ダーウード(1609)、スナン・イブン・マージャ(1827)。文章はアブー・ダーウードのもの。

[2] 訳者注:サーアはマディーナの計量単位の1つで、果実や種子・穀物類などに用いられます。1サーアは約2.4kgに相当します。

[3] サヒーフアル=ブハーリー(1503)、サヒーフ・ムスリム(984)(986)。文章はアル=ブハーリーのもの。

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