リアーン(姦淫の告発とその否認)

概要

夫が妻の姦淫の現場を目撃しても他の証人がいないような場合、あるいは彼女の姦淫を告発しても彼女がそれを否認した場合、彼女のそのような行いによって夫の尊厳や権利が損ねられたり、あるいは妻が他人の子供を孕んでしまったりしないよう、偉大かつ荘厳なるアッラーはリアーンを定められました。

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Detailed Description

    リアーン

    (姦淫の告発とその否認)

    ] 日本語 [

    اللعان

    [اللغة اليابانية ]

    ムハンマド・ブン・イブラーヒーム・アッ=トゥワイジリー

    محمد بن إبراهيم التويجري

    翻訳者: サイード佐藤

    ترجمة: سعيد ساتو

    校閲者: ファーティマ佐藤

    مراجعة: فاطمة ساتو

    海外ダアワ啓発援助オフィス組織(リヤド市ラブワ地区)

    المكتب التعاوني للدعوة وتوعية الجاليات بالربوة بمدينة الرياض

    1429 – 2008

    リアーン(姦淫の告発とその否認)

    ● リアーンとは:統治者や裁判官[1]、あるいはその代行者の前で、夫婦が互いに誓いをもって自らの証言を確証することです。そしてその際自分の証言が虚偽であるならば、夫はアッラーの自分への呪い、妻はアッラーの自分へのお怒りがふりかかることを誓います。

    ● リアーンが定められたことに潜む英知:

    夫が妻の姦淫の現場を目撃しても他の証人がいないような場合、あるいは彼女の姦淫を告発しても彼女がそれを否認した場合、彼女のそのような行いによって夫の尊厳や権利が損ねられたり、あるいは妻が他人の子供を孕んでしまったりしないよう、偉大かつ荘厳なるアッラーはリアーンを定められました。尚リアーンを行う前に、夫婦に対してアッラーのお怒りに関する訓戒と勧告をすることが推奨されます。

    ● もし夫が妻をリアーンすることから妨害した場合、彼には貞節に関する名誉毀損の固定刑として80回の鞭打ちが行われます。一方妻が姦淫したことを自認した場合、彼女には姦淫の固定刑として石打ちの死刑が実行されます。[2]

    ● 自分の妻以外の女性を姦淫で訴えることに関して:

    自分の妻以外の女性を姦淫で訴え、かつ自分以外の4人の証人による証明をし損ねた者は80回の鞭打ちの刑を受ける他、宗教的放埓者(至高のアッラーへの服従から逸脱した者)と見なされ、悔悟して自らを正さない限りそれ以後証言を受け入れられなくなってしまいます。

    至高のアッラーはこう仰られました:-そしてムフサン[3]である女性を姦淫の罪で訴え、4人の証人を連れて来れない者は80回の鞭打ちにせよ。そして以後彼らから証言を受け入れてはならない。彼らは放埓者なのである。但しその後悔悟してそのような行いから身を正す者は別で、実にアッラーはお赦し深く慈悲深いお方であられる。,(クルアーン24:4-5)

    ● リアーンの条件:

     リアーンが有効となるには以下の条件を満たさなければなりません:

     1-夫婦共に健常な理性を備えた成人ムスリムであり、かつリアーンが統治者かその代理人のもとで行われること。

     2-リアーンに先駆けて、夫がその妻に対し姦淫の告発をすること。

     3-妻が夫の告発を否定して彼の嘘言を主張し、リアーンに至るまでその主張を継続すること。

    ● リアーンの形:

     夫がその妻に対し姦淫の告発をしたものの証人がない場合、彼には貞節に関する名誉毀損の固定刑が科せられます。その刑の執行はリアーンによってのみ免れます。

     そして具体的なリアーンの形は以下の通りです:

     1-まず夫が4回「アッラーにかけて、私はこの自分の妻を姦淫で訴えたことにおいて正直であることを証言します」と言います。その際彼女が同席していれば彼女を指し、もし不在であればその名前を述べます。そして5つ目の言葉として、-「もし彼(夫自身のこと)が嘘を言っていたら、彼(夫自身のこと)にはアッラーの呪いがあります。」,(クルアーン24:7)と付け加えるのです。

     2-それから妻が4回「アッラーにかけて、私は彼が私を姦淫で訴えたことにおいて嘘をついていることを証言します」と言います。そして5つ目の言葉として、-「もし彼(夫)が本当のことを言っていたら、彼女(妻自身のこと)にはアッラーのお怒りがあります。」,(クルアーン24:9)と付け加えるのです。

    ● リアーンをしようとしている夫婦には、両者ともに十分な警告をしておくことがスンナ[4]です。そして夫が5回目の言葉を言う前には彼の口に手を当て、「アッラーを畏れなさい、現世での罰の方が来世での罰よりも楽なんですよ。この言葉を言えば、罰が決定しますよ」と言うことが推奨されます。また妻にも同様にしますが、その口には手を当てません。またリアーンは統治者やその代理者のもと、人々の前に立って行うことがスンナです。

     至高のアッラーはこう仰られました:-自分の他は証人もないのに自分の妻を姦淫で告発する者は、自分が真実を言っていることをアッラーにかけて4回誓うのだ。そして5回目には(こう言え):「もし彼(夫)が嘘を言っていたら、彼にはアッラーの呪いがあります。」しかし妻が、彼が嘘をついていることをアッラーにかけて4回誓えば、彼女の刑罰を防ぐことが出来る。そして5回目には(こう言うのだ):「もし彼(夫)が本当のことを言っていたら、彼女にはアッラーのお怒りがあります。」,(クルアーン24:6-9)

    ● リアーンが終了したら、以下のことが義務付けられます:

    1-貞節に関する名誉毀損に関しての固定刑が、夫から免除されること。

    2-姦淫の固定刑が妻から免除されること。

    3-夫婦の離婚。

    4-互いとの再婚の恒久的禁止。

    5-もし夫婦に子供があれば、夫の縁組から除外されて妻の系譜に帰されること。

    ● リアーンで離別した女性はイッダ(待婚期間)中、夫からの扶養や住居提供の義務を有しません。

    [1] 訳者注:イスラーム法で裁く統治者や裁判官のことです。そのような機関が存在しない非ムスリム国や地域に居住するムスリムは、そこにおけるイスラーム的権威である学者やイマームなどに依拠することになります。

    [2] 訳者注:詳しくは「9-報復と固定刑」の章の②固定刑の項を参照のこと。これらの刑を実行するには、諸々の厳しい条件が満たされていなくてはなりません。

    [3] 訳者注:「ムフサン」とは男女の別なく、成人ムスリムで精神的に健常な自由民で、婚姻の経験(つまり合法的な性交渉の経験)があり、慎ましく放縦ではない者のことです。

    [4] 訳者注:預言者ムハンマド(彼にアッラーの祝福と平安あれ)の示した手法や道のこと。ムスリムは可能な限り、彼のスンナを踏襲するべきであるとされています。

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