イマームに関する諸規定
الكاتب : ムハンマド・ブン・イブラーヒーム・アッ=トゥワイジリー
ترجمة: サイード佐藤
مُراجعة: ファーティマ佐藤
الناشر: 海外ダアワ啓発援助オフィス組織(リヤド市ラブワ地区)
نبذة مختصرة
サラー(礼拝)を率いるのがイマームです。ここでは誰がそれに適切か、またはいかに彼に追従するか、などといったことを含め、イマームに関する諸々の法規定を見ていきます。
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تفاصيل
⑬イマームに関する諸規定
● イマームを務めることの徳:
イマームを務めることには偉大な徳があり、その重要性ゆえ預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)とその後の後継者たちは自らそれを務めました。
またイマームには最大の責任があり、その任務を良い形で果たせば多大な報奨があります。そして彼には、彼に従ってサラーした者たちの報奨もまた与えられるでしょう。
● イマームに従うことに関しての法的見解:
サラーにおいてイマームに追従するのは、1つの義務です。アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は言いました:「イマームは従われるべくして定められたのだ。ゆえに彼がタクビール[1]したら同様にし、彼がルクーゥ(お辞儀の形の礼拝動作)したら同様にするのだ。そして彼が“サミアッラーフ・リマン・ハミダフ(アッラーはかれを讃える者をお聞き入れになられよう)”と唱えたら、“ラッバナー・ワ・ラカ・アル=ハムド(私たちの主よ、そしてあなたにこそ全ての称賛があります)”と唱えよ。そして彼が立ってサラーするのなら皆立って行い、座ってサラーするのならその通りにするのだ。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[2])
● イマームを務めるのに最適な者とは?
① クルアーン読誦:つまりクルアーンをより多く暗記している者。
② サラーに関する法学的知識により秀でている者。
③ スンナ[3]についてより知識が豊富な者。
④ より早くヒジュラ[4]した者。
⑤ より早くイスラームに改宗した者。
⑥ 年長者。
⑦ 上記の優先順位(全て順番通り)において同等である場合は、くじ引きによって決めます。ちなみにこれはサラーの時間に入ったにも関わらず決められたイマームがいない場合のことで、もしモスクにおいて特定のイマームがいる場合は無条件に彼がイマームをします。
アブー・マウスード・アル=アンサーリー(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は言いました:“イマームとなる者は、最もクルアーンをよく読む者である。そしてそこにおいて同等である場合、よりスンナを知るものである。そしてそこにおいても同等である場合、より早くヒジュラした者である。そしてそこにおいても同等である場合は、年長者に率いさせよ。”」(ムスリムの伝承[5])
● 家の主人とモスクのイマームには、サラーのイマームを務める最大の優先権があります。但し権力者はその限りではなく、その両者よりも優先権があります。
● 宗教的放埓者がイマームを務めることに関する法的見解:
そもそもイマームはよりその優先順位の高い者が務めるべきですが、もし宗教的に放埓な者‐あごひげを剃っている者や、喫煙者など‐しかそれを務める者がいない場合、彼に率いられて行うサラーは厭われるべき行為ではありますが、有効です。
ちなみにここで言う「宗教的放埓者(ファースィク)」とは:何らかの大罪[6]を犯すことにより、至高のアッラーへの服従から逸脱した者のことです。
また大小の穢れ[7]など、そもそもサラーが無効である状態にある者が率いるサラーは無効です。但しそのような状態を知らないまま彼に従った者のサラーは有効であり、そのような場合はイマームだけがサラーをやり直します。
● イマームの動作に先駆けてしまうことに関する法的見解:
サラーにおいて、イマームより先駆けて何かを行うことは禁じられています。もしこの法規定を知りつつ故意にそうするのなら、その者のサラーは無効となります。一方自らの不注意や、あるいはイマームの声が聞こえなかったなどの理由でイマームから遅れをとってしまったような場合は、早急に遅れた分を取り戻し、それからイマームの動作に追いつくようにします。
● イマームに従ってサラーする者の様々な状態:
イマームに従ってサラーする者には、4つの状態があります:
1-イマームの先を越すこと:つまりタクビールやルクーゥ、サジダやタスリーム[8]などにおいてイマームの先を越してしまうことで、禁じられた行為です。もしこのようなことを行ってしまったら元の動作に戻り、それをイマームの後に行わなければなりません。もしそうしなければサラー自体が無効となります。
2-イマームと同時に行うこと:つまりタクビールやルクーゥなどのサラーにおけるある基幹からある基幹への移行において、ある動作をイマームと同時に行うことです。これは忌むべき行いと見なされますが、タクビーラトゥ・アル=イフラーム[9]だけはその限りではなく、もしイマームよりも遅れてそれを行わなければサラー自体開始しなかったことになります。
3-イマームに追従すること:つまりイマームの動作の後にその動作を行うことで、これが本来要求されていることで、イスラーム法に適った形です。
4-イマームより遅れること:つまりイマームがある動作を終了して別の動作に入るまで、その動作を遅らせてしまうことです。これもまたイマームへの追従を放棄する行為として、禁じられています。
● モスクに入ったところモスクのイマームが率いるサラート・アル=ジャマーア(集団礼拝)が既に終了してしまっていたような場合、参加し損ねた者は単独で、あるいは他の者たちと共にそのやり損ねた義務のサラーを行います。尚モスクのイマームが率いたサラート・アル=ジャマーアの方が、その後に行われたサラート・アル=ジャマーアよりもより報奨があります。
● サラーに途中参加することに関して:
1-イマームと共に1ラクアでも行った者は、サラート・アル=ジャマーアに参加したと見なされます。またイマームのルクーゥに間に合った者は、そのラクアに間に合ったと見なされます。そのような場合にはまず起立姿勢でタクビーラトゥ・アル=イフラームをし、そして出来るならルクーゥのためのタクビールもしてからイマームに従ってルクーゥに入ります。もしその両方とも出来ないようであれば、1回のタクビールでその2つのタクビールを意図するようにします。
2-サラーに途中参加した際は、イマームが起立していようと、ルクーゥしていようと、サジダしていようと、あるいは座位姿勢にあろうと、彼に従ってその動作から入ります。そうすることで、行った行為の分の報奨があるでしょう。但し前述した通り、ラクアはイマームと共にルクーゥしなければ行ったことにはならず、またイマームがアル=ファーティハ章を読み始めたらタクビーラトゥ・アル=イフラームはイマームと共に行ったことにはなりません。
● サラーを短く済ませることに関する法的見解:
イマームはサラーを完全な形で、かつ短く済ませることがスンナです。というのも彼に従ってサラーをする者たちの中には弱者や病人、何らかの用事に追われている者などがいる可能性があるからです。一方単独でサラーをする場合は、望むがままに長引かせることが出来ます。
● サラーを短く済ませることのスンナに則った形:
サラーを短く済ませるということはイマームに従ってサラーを行う者たちの私欲に応えるということではなく、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)が命じ、かつ常にそう行ったようにきちんとサラーの諸基幹や義務行為やスンナを完遂しつつ行うことです。ルクーゥやサジダにおいてきちんと姿勢を正さなかったり、心が込められていない上辺だけのサラーを行ったりするのでは正しいサラーを行ったとは言えません。
● イマームに従う者の立つ位置:
1-イマームに従う者は、イマームの後方に立つのがスンナです。もし1人しかいなければ、イマームの右側に立ちます。また女性のイマームは列の中央に立ちます。女性は男性の後方に並ばなくてはなりません。
2-イマームに従う者は例え複数であっても、その右側、あるいは両側に立つことも出来ます。但しイマームの前方や、あるいは左側のみに並ぶことはその必要がない限り禁じられています。
● 男女はどのようにしてイマームの後ろに並ぶか?
1-イマームの後方には老若を問わず男性が並び、その後方に女性が並びます。男女を問わず列は前から順番に埋めていき、人の間の隙間を無くし、列を真っ直ぐに整えるようにします。
2-女性のみのサラート・アル=ジャマーアにおける最善の場所は最前列であり、最も報奨の少ない場所は最後尾です。そして混雑などによる必要性がない限り、女性は男性の前に、また男性は女性の前に並んではいけません。
もし混雑などの理由で女性が男性の列の中でサラーをしなければならないような状況に陥っても、そのサラーは有効です。しかし男性が女性の背後でサラーを行ってはなりません。
アブー・フライラ(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は言いました:“(サラーにおける)男性の列の内で最善のものは最前列であり、最悪のものは最後尾である。また女性の列の内で最善のものは最後尾であり、最悪のものは最前列である。”」(ムスリムの伝承[10])
● 整列の仕方:
1-イマームは彼に従う者たちの方を振り返って、こう言うことがスンナです:「列を正し、隙間を詰めよ。」(アル=ブハーリーの伝承[11])
2-あるいはこう言います:「列を真っ直ぐに整えるのだ。列を真っ直ぐにすることは、サラー遂行の一環であるのだから。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[12])
3-あるいはこう言います:「列を正し、肩と肩を真っ直ぐに揃え、乱れを正すのだ。そしてあなた方の兄弟の手を優しく手にとりつつ(列を正すようにし)、シャイターンのために隙間を開けてはならない。列を繋げる者には、アッラーが(そのご慈悲をその者に)お繋げ下さろう。そして列を断つ者には、アッラーが(その者をそのご慈悲から)お断ちになられよう。」(アブー・ダーウードとアン=ナサーイーの伝承[13])
4-あるいはこう言います:「(列を)真っ直ぐに整えよ。(列を)真っ直ぐに整えよ。(列を)真っ直ぐに整えよ。」(アン=ナサーイーの伝承[14])
● 列を真っ直ぐに整えることに関する法的見解:
サラーの際には肩と踵を並列に合わせて列を真っ直ぐに正し、乱れをなくします。また列を前から順番に埋めていくようにします。預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「(サラーの際の)列の隙間を無くす者には、アッラーが天国に彼のための住まいを1軒お建てになり、かつその位階を1つ上げて下さるであろう。」(アル=マハームリーとアッ=タバラーニーの伝承[15])と唱えます。
● 分別のついている子供の行うアザーン(礼拝時間に入ったことを告げる呼びかけ)、及び義務か任意かを問わず彼の率いるサラーは有効です。しかしもし彼よりもイマームを務めるにふさわしい者がいれば、その者がイマームをします。
● 例え起立やルクーゥが身体的に不可能な者であっても、サラーが有効である者がイマームとして率いるサラーは全て有効です。但し女性は女性同士の場合のみに限りイマームをすることが出来るのであり、男性を率いることは出来ません。
● 任意のサラーを行う者はイマームとして、義務のサラーを行う者を率いることが出来ます。またアスル(午後遅くのサラー)を行う者の後ろでズフル(正午過ぎのサラー)を行うことも可能ですし、タラーウィーフ(ラマダーン月の夜の特別集団礼拝)を率いる者に従ってマグリブ(日没後のサラー)やイシャー(夜のサラー)を行なうことも出来ます。そのような場合、イマームがタスリーム[16]してから足りない分のラクアを補うようにします。
● ニーヤ(意図)の相違に関しての法的見解:
1つのサラーにおいて、イマームと彼に追従する者のニーヤが異なっても問題はありませんが、その
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