100 - スーラトルアーディヤート ()

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(1) 鼻息を荒げて疾駆するもの¹にかけて、²
1 大方の解釈学者は、アーヤ*5まで登場する、この「疾駆」し「火花を散らし」「進撃する」ものを、アッラー*の道において敵を目指して駆ける馬と解釈している。「ハッジ*におけるラクダ」という説もあるが、その場合、アーヤ*5までの解釈は、本文訳とは多少変わって来る(アル=クルトゥビー20:160参照)。 2 アーヤ*1-3までの、アッラー*によるこの誓いについては、整列者章1の訳注を参照。

(2) また、(蹄で石を)打ち付けつつ、火花を散らすものにかけて、

(3) また、朝に(敵陣へと)進撃するものにかけて(誓う)、

(4) それらは、それ¹によって埃を巻き上げ、
1 この「それ」とは、疾駆と、敵への進撃のこと(アッ=サアディー932頁参照)。

(5) それ¹と共に、(敵の)集団の只中へと進み込む²、
1 この「それ」には、「朝の時間」「疾駆」「埃」といった解釈がある(アル=バイダーウィー5:520参照)。 2 あるいは「(敵の)只中に、集団で入り込む」という意味(イブン・カスィール8:466参照)。

(6) 本当に人間は、自分の主*に対してまさしく恩知らずであり、

(7) 本当にかれ¹は、そのことにおける確かな証言者である。
1 この「かれ」が誰かについては、「人間」「アッラー*」という説がある(アル=クルトゥビー20:162参照)。

(8) また、本当に彼(人間)は、善きもの¹への愛情において、ことさら激しい者である。
1 この「善きもの」は、財産のこと(ムヤッサル600頁参照)。

(9) 一体、彼は(何が自分を待ち受けているか、)知らないのか?墓の中にあるもの(死んだ人々)が、ひっくり返され(て、清算と報いのために蘇らされ)、

(10) 胸の内にある(善悪の)ことが明らかにされる時、

(11) 本当に彼らの主*は(復活の)その日、彼ら(の行い)をまさしく通暁されるお方であられる。¹
1 アッラー*は復活の日*以外でも、全てを通暁されるお方である。ここで「その日」と限定されているのは、報いの日*に対する警告の意味(イブン・ジュザイ2:602参照)。